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若い頃、休日に近所の喫茶店へ行ってはコーヒーを啜り、
抱えていった小説本や置いてあるスポーツ新聞を眺めては、
よくヒマをツブした。
あの頃はあれほどあった時間が、60歳にも近くなったこの頃は、
妙に時間に迫られる。
全日本司厨士協会北海道地方本部会員の若き諸君!
若い時の勉強は頭に入る、修業は身に付く。今こそ励むのだ!




そこの喫茶店のコーヒーは注文を受けてから淹れてくれるので、
薫り高く「グー!」だった。
サンドイッチやスパゲッティー、ハンバーグなどの軽食も出していた。
スパゲッティーのミートソースは市販の缶詰のソースにチョット手を
加えたものだが馴染のある味だった。



ハンバーグを注文した時の事だ。
焼かれたハンバーグのガルニはフライドポテトにキャロットグラッセ、
青味は半分に切り種を取り除いたピーマンが添えられていた。
ソースはブルドッグ(最近アメリカの投資会社に敵対的買収が及び大変らしい)
の中濃ウスターソースにケチャップを混ぜた物だがハンバーグには合った。
それにライスが絡むと美味しさが倍増する。
「ウーム!」洋食屋さんの懐かしい味だ。



そのハンバーグを食べるうちに、ふと気になった。
フライドポテトは揚げてある。キャロットは煮込んである。
「当たり前な事を言うな!」とお叱りを受けそうだが。問題はピーマンなのだ。
そのピーマン茹煮したものではない。しかし油で揚げてもいない。
焼き色が付いていないから、フライパンや網で焼いたものでもない。
じゃいったいどうやって調理しているんだ?
しかし、ピーマンに火が入り過ぎてクタッとしていたり、
ある日は、青さが残ってナマぽっかったりと一定していないのだ。
茹でても揚げても焼いても蒸してもいない。しかし、火は入っているのだ。
全日本司厨士協会北海道地方本部会員諸君!この調理法何だんだね?



 今流行りのスペインはエルブリの液体窒素に漬け込んで凍らかしたか?
ガニエールの分子料理か、それとも真空調理か?と言いたいが、
その頃はまだそういった調理法はなかったべ。



 近い将来にはレーザー光線で魚肉を瞬時にポワレし、
(それをポワレと言うかどうかは、別の話しではあるが)
野菜など水分無しで「アッ!」と言う間に茹で上げ、
油脂を使わずにフライにする。
そんな調理機具が開発されるぞ。



 ウィル・スミス主演の映画「アイ・ロボット」のように
近未来には家事雑用をこなす万能ロボットが開発普及されるだろう。
テレビコマーシャルではロボットのアシモが少年と一緒に走っているのだ。
 一昔前なら「そんなバカな!」事が現実になる時代だ。
営業用にはホテル、レストラン仕様の調理ロボット「スーパー・シェフ」
が配備され、薹(とう)の立った屁理屈ばかり語っている料理人は
お払い箱になるぞ。



 それにしてもハンバーグの盛られた皿も、ちゃんと温められているし、
喫茶店のマスターが未知の調理法を・・・
待てよ!今は街角の小さな喫茶店のマスターだが、
その昔は、名人達人鉄人と呼ばれた料理人が独立開店した喫茶店なのか。
そんな話、司厨士協会関係者からも聞いた事がないぞ。



 それからは、その喫茶店へハンバーグを食べに、
と言うよりピーマンの「謎の調理法」を解明したくて、幾度と通ったのだ。
そうせねば、料理人の沽券にかかわる。と意気込んだ。
のだが「わからない?」そのピーマンを凝視し。
謎を探るように食しても調理法がわからない・・・。



 そんなある日、勤めを終え帰宅し昨夜の食べ残したギョウザが冷蔵庫に
あったので、ビールの肴にと皿のまま電子レンジに入れチーンした。
レンジのドアを開けると、加熱し過ぎてギョウザが破裂して皮から具が
飛び出ていた、取り出すと皿まで熱くなっていた。
 そのとき「ハッ!」と気付いた。「そうか、そうだったのか」。
喫茶店のマスターは皿に種を取り除いた青ピーマンを置き、
そのままレンジに入れチーンしていたのだ。それで皿も温かくなっていたのだ。
レンジで料理を温める事はするが、料理人がナマのピーマンを
レンジで調理し、そのままガルニにする事はしないべ。
それでわからなかったのだ。



 しかし、最近は電子レンジの機能も進歩し、茹でる蒸す焼く、
冷凍食品の解凍など、調理には無くてはならぬ必需品になった。
喫茶店のマスターは名人達人鉄人ではなく、
「謎の調理法」こそ、電子レンジを使った一石二鳥の単なる
手抜き調理だったのだ。



 それにしても「謎の調理法」を解明すべく、ハンバーグに支払った代金は、
なんとも悔やまれる授業料であった。

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