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「酒なくて何の己が桜かな」と言われる様に、桜見物だって酒があってこその
楽しみだ。酒のない花見なんて、花見じゃないべ。
 考えてもみたまえ 結婚披露宴で料理だけ出て酒が出なかったらどう思う、
なんとも場が盛り上がらないぜ。
法事にしたって「酒無くて何の己が法事かな」てなところあるべさ。
 冠婚葬祭に限らず、酒の無い人生をイマジンしてごらん、
なんとも味気の無いもんだよ。人にとって酒ってなんとも不思議なものだ。


 小学生の時だった。学校を終えて帰宅し「オヤツがないかな?」と
戸棚の中を探っていたら、コップ茶碗になにやら水が入っていた。
そのコップ茶碗に鼻先を突っ込み匂いを嗅いでみたが、何の匂いもしない。
「なんだべ?」と思い、「グイッ」と一口含んだが、「グエー!」とうめいて、
一機に吐き出した。
「酒だ!」昨夜、親父が飲み残した日本酒だった。
「大人って、どうしてこんな不味い物を飲むのだろう」と眉間にシワ寄せ、
口に残る不快さと飲んだ自分のドジさと相まって憤りを感じたものだ。
帰宅した母が残っていたコップ酒の量が減っているのに気付き、
「あんた、お酒飲んだの?」と問われ。
あれこれと説明すると「バカだねー」と優しくたしなめられた。
そのためか、未だに日本酒が飲めないのだ。
「不味い」と言っている訳ではない、苦手なのだ。
人生に於いて第一印象って大事だよね。日本酒関係者の皆さんごめんなさい。


昔アメリカのTVドラマで、昼間からウイスキーの小ビンを机の引出しから
取り出して「クビッ!」と飲んでいるのを見て、
「ヘェー外国人は昼間から酒飲むのだ!」と変に感心したものだ。
 日本で昼間から酒飲もうものなら「ナニ昼間から飲んでるんだ!」と
言われなくとも、非難の目で見られるべ。
酒飲まない人は「真面目ね!」なんて言われるしょ。
まあ酒飲まない奴が真面目かどうかは別にして、風呂上りのビールの1杯、
料理とワインを味わう楽しさを知らぬとは、人生に何か欠けている。
なんて言うのはチト大袈裟かな。


 昼間から人目を憚らず堂々と酒を飲めるのは結婚式か法事の冠婚葬祭だ。
しかし飲めるからとヘベレケになるまで酔えないから、
自分の気持ちをセーブして飲む事になる。
結婚式なら御めでたい席だから、シャンパンで乾杯して大声で笑ったり
拍手したり楽しく飲めるけど。
法事の席で笑ったり拍手したり、ましてやシャンパンで乾杯など出来ないから、
どうにも湿っぽい酒になる。やっぱり酒は楽しく美味しく飲みたいな。


 商売柄インポーターの試飲会がよくある。
いつも昼過ぎの1時頃から行われる。
試飲に来る方は飲食業界の、まあその道の達人ばかりなので、
夜に開催すると試飲ならぬ宴会になり兼ねない。
そうなると試飲のワインが何本あっても「足りない!」となるので、
昼間にやったほうが良い。と言うのがワインメーカーの思惑なのか?
 その試飲会で知り合いのオーナーの店が一周年記念の日だった。
なぜかその場で盛り上がり、数人で「一周年おめでとうございます。乾杯!」
とやったら、寿屋の望月社長に「チョット、チョット、試飲会でそんなことやったら
ダメだよ!」と窘められた。乾杯した全員「スイマセン」と首を竦めてしまった。
おめでたいからと言って、乾杯は場所柄をわきまえてやった方が良さそうである。


 だけど、同じ酒でも仕事絡みで飲む酒ほどマズイ酒はないね。
接待とか(接待などされた事は、一度もないけど)、
会社の社長や上司と飲むのも遠慮したいな。
以前ホテル勤めの時に経営者と行き違いがあり「バカヤロー」の事態になっ
た。 腹が立って自棄酒を飲んだが気が立っているから、
いくら飲んでも「酔わない」のだ。酔えない酒も辛いもんだね。


 どちらかと言えば、酒は強い方ではない。飲むと顔が赤くなって、
「飲みました!」と顔に書いてあるようなものだから、盗み酒は出来ない。
飲んでも顔にも出ない人を見ると羨ましく思うのだ。


 オヤジも酒癖が悪かったな。酔っぱらって帰宅しては母にグダを巻いていた。
「うるせーな、このオヤジ。寝れ!」と言ってやりたいが、小学生の子供に
言えるはずも無く、寝たふりしたな。
 千昌夫さんの「望郷酒場」の「♪オヤジみたいなよ~酒飲みだけはよ~
ならぬつもりがなっていた」の歌じゃないけど、大人になったら、酒なんか絶対に「飲まんぞ」と、寝た振りしたフトンの中で、心に強く誓った。
が、ならぬつもりがなっちゃった。
イヤイヤ、誤解しないでいただきたい。オヤジの酔う姿を見ていたから、
酒は飲んでも、グダを巻くような事はしない。
オヤジみたいな酒になるのが怖いのだ。


 伯父さんも酒飲みだったな。伯父さんの場合グダは巻かないが、
御酩酊に至るのだ。
石炭ストーブの傍らで日本酒をコップ茶碗に注いで「グイ!」と飲んでいた。
が、酩酊してくると呂律(ろれつ)があやしくなってくる。
すると伯母さんが、「父さん、また、そんなに飲んで。パピプペポって言ってごら
ん!」と迫られると、「ウーン パヒペレホ!ホラ言えたべや」と伯父さんは
自らの酩酊を露呈してしまうのです。


 以前、中年男性2人女性1人の3人連れのお客様が来店した。
その1人の男性が来て、「○○さん、よく来るんですか?」と、もう1人の男性の
事を訊ねるのだ。
「ハイ、たまにお見えになります」そう応えると、「あまり飲ませないで下さい。
グデングデンになるので・・・」と耳打ちする様に言うのである。
あまり飲ませないで下さい、と言われても、こちらも食べて飲んでもらっての
商売である。
「酒をくれ!」で出さなけりゃ、「出せ!」と言われるべ。
そうこうしてるうちに、○○さん本当にグデングデンになり、
座っていた椅子からタコの様にスベリ落ちて床の上に寝てしまった。
なるほどこれがグデングデンかと、妙に感心してしまった。
他の2人はいつもの事の様に、又始まったと構うでもない。
暫らくして○○さん、連れの2人に両脇を抱えられるようにして帰っていった。
酒飲むのはいいけど人に迷惑かけたくないな。
本当に酒癖の悪い人は困るね。
そんな奴が後輩だったら「うるせえなこの野郎!」と言えるけど、
上司や先輩には、そうは言えないべ。


 見習だった40数年前、F先輩の話だ。
仕事を一緒にしている時は「坂井ちゃん、あれやっておいてね」とか、
大阪出身なので、何かに付けては「ほんまかいな!」などと言って、
仏の善さんの様に、やさしくていい人なんだよ。

仕事を終えて、着替え室で酒を飲み始めるのだが、ひとたび酔うものなら、
手のひら返した位の変り様ではない。
仏が鬼に変身するがごとく恐ろしい人だった。
目が据わって、あぐらかいた姿勢が七三に構えている。
 同僚と話をしているのを聞いて、自分に全然関係ないのに、
「ナニ!」と横からイチャモンを付けて絡んでくるのだ。
エイリアンに遭遇した気分だ。
先輩だから逆らえないので「ご無理、ごもっともでございます!」と平身低頭、
「はい、はい」と聞くけど、酒癖の悪さはここからが始まりよ。
説教に人生訓、叱咤激励の末の長い夜だったな。
同僚と二人なんとか話をずらして、その場を切り抜けて帰るのだけど、
翌朝は「坂井ちゃん、おはよう!」などとコロッと人が変って仏の善さんである。
ジキル博士とハイド氏のような二重人格なのかと、困惑した気持ちだった。


 59年の人生経験からいうと、普段やさしくていい人に限って酒飲んで酔うと
人が変るな。
やさしさの裏側に溜め込んだストレスが、酔うと一機に炸裂し爆発しだすのか。
それにしても、あの変り様は尋常じゃなかったな。
F先輩の事を時折思い出すが、今も酒癖の悪さは健在なのだろうか。
でも普段は本当にやさしくて良い人なんだよ。


 「酒飲み本性違わず」 (さけのみ ほんしょう たがわず)の「故事ことわざ」
がある。 酒は自制心をゆるめ、その人の本性をあらかさまにする。
酔ってクダを巻くときこそ、その人の本音が出るのだ。と言った意味だ。
そうなるとF先輩は普段のあの優しさは偽りの顔で、クダを巻くのが本性なのだ
ろうか?

朝昼晩と、いつ酒を飲もうといいけど、仕事だけはちゃんとしようね
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