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映画「シェルブールの雨傘」 カトリーヌ・ドヌーブ主演の、このフランス映画は
1957年の港町シェルブールを舞台に、16歳の少女ジュヌヴィエーヴと、
20歳の青年ギイの悲しい恋の物語である。
 ストーリーはシンプルで、好きな2人が結ばれないという、ありふれたものだ。が、そう簡単には言い切れない、なぜか心に残る映画である。
音楽はミシェル・ルグランで、セリフはすべて歌。郵便配達のオジさんの「ボンジュール」の挨拶から、通行人の一言までがすべて歌の、ミュージカルである。




小さな傘屋の娘ジュヌヴィエーヴと、自動車修理工のギイは会う度に、
「ガソリンスタンドを営もう・・・。子供の名前は男の子ならフランソワに、
女の子ならフランソワーズにしよう・・・」と、2人の将来の夢を語リ合う。


しかし、ジュヌヴィエーヴの母、未亡人のエムリーは、
ギイが「まだ兵役もすんでいない」と若過ぎる2人の交際に反対する。
しかし、ギイに召集令状が届き兵役へ。それは、ジュヌヴィエーヴとギイには、あまりにも辛い「別れ」の現実であった。


そして出発前夜、残り少ない時間を惜しむように、
ジュヌヴィエーヴとギイは結ばれる。
ギイは育ての母で、病弱の伯母エリーズを幼馴染のマドレーヌに託して行く。列車で発つギイを見送るジュヌヴィエーヴが、シェルブール駅に1人ポツンと
取り残される。
ミシェル・ルグランのテーマ曲がバックに流れるシーンは
映画史上最も切ないシーンである。
このシーンで、2人の「モーナムー」「ジュ・テーム」の歌が、切なく胸に
残るのだ。いつの世も、戦争は若い2人の愛を引き裂くのですね。


ギイはアルジェリア独立戦争へ・・・。
ジュヌヴィエーヴのお腹には2人の愛の結晶が育っていた。


そんな時、ジュヌヴィエーヴの母は、営む傘屋を援助してくれる、宝石商の青年カサールを自宅の夕食に招く。
娘の幸を願う母としてみれば、金持ちの宝石商に嫁がせたいのは当然だろう。カサールはジュヌヴィエーヴが妊娠している事を承知で、結婚を申し込む。
「2人の子として、育てよう」と言う。
カサールの誠実さを知り、ジュヌヴィエーヴの気持ちは揺れ動く。


月日が経つにつれ、ジュヌヴィエーヴはギイの存在が、
段々と遠いものに感じられられる。
そんな、自分自信に戸惑いながら、ジュヌヴィエーヴは宝石商カサールの、
結婚の申し出を承諾する。そしてジュヌヴィエーヴはカサールとパリへと発つ。


2年後、兵役を終えたギイはシェルブールへ戻る。
アルジェリア独立戦争で負傷した足を引きずり、ジュヌヴィエーヴの傘屋へ行くが、店には「持ち主が変わりました」の張り紙が。
アパートへ戻ると、伯母の身体はすっかり弱っていて、
マドレーヌが健気に世話をしていた。


ギイは伯母にジュヌヴィエーヴの事を尋ねると、
「ジュヌヴィエーヴがカサールと結婚した」と教えられる。


ギイは荒れる。慰める伯母のエリーズ、励ましてくれるマドレーヌであったが、ギイの気持ちは荒むばかりだ。
ギイは昔の勤め先の自動車修理工場に戻るが、荒んでしまった生活は仕事にも影響し、雇い主とケンカして工場を飛び出してしまう。
町をさまよい、ギイの足はジュヌヴィエーヴの傘屋へと向かっていた。
しかし、そこはもう、新しい店が出来ていた。
酒場で自棄酒を飲むギイは、声をかけてきた情婦と一晩過ごしてしまうのだった。
家に戻らなかった、その夜に伯母が亡くなってしまう。
葬儀の後に、出て行こうとするマドレーヌに、「残ってほしい」とギイはたのむ。マドレーヌは「荒んだ、今のギイはキライ!」と、ためらうが思い直して、
最後に承知してくれる。


伯母の財産を整理して、ガソリンスタンドを買い取り再出発するギイは、
マドレーヌに結婚を申し込むのだ。
「コワイの、あなたがまだジュヌヴィエーヴの事を忘れられないのでは・・・」と言うマドレーヌの心中を察し「ジュヌヴィエーヴの事は、もう忘れた・・・」とギイは、自分の気持ちも決する様にキッパリと言う。


4年が経ち、ギイはマドレーヌとガソリンスタンドを経営。
クリスマスの買い物にマドレーヌと息子フランソワが出かける。
と、入れ違いにジュヌヴィエーヴの車が給油に入ってくる。
シェルブール駅で別れて以来の出会いであった。「ハッ!」と見つめ合う2人。ガソリンスタンドの事務所で、ぎこちなく言葉を交わす2人。
車の中の女の子に気付くギイに「あなたに、そっくりだわ」「名前は?」
「フランソワーズよ、会う?」と言うジュヌヴィエーブに、ギイは静かに首を振る。マドレーヌが戻って来る頃だと、気付いたギイは「もう行った方がいい」と言う。事務所を出ようとした、ジュヌヴィエーブは振り返り「あなた、元気?」
「ああ、とても元気さ!」とギイ。これが2人の最後の会話だった。
車で走り去るジュヌヴィエーブと娘フランソワーズ。


そして、マドレーヌが買い物から戻る。
笑顔で駆け寄るギイは息子フランソワを抱き上げる。
車で走り去るジュヌヴィエーヴ、マドレーヌとフランソワに囲まれるギイ。
それぞれの思いを包むように、深々と降りつづく雪雪雪・・・。




いつも、思うのですが。
なんで「雨傘」が題名にあるのに、ラストシーンは雪なのだろうと?


 さて、シェルブールの雨傘に登場するご馳走は、「ガレット・デ・ロワ」である。1月6日の公現祭日に食べるパイ菓子である。


ジュヌヴィエーブの母エムリーが宝石商の青年カサールを家に招いた夕食の
デセールに出された。
ガレット・デ・ロワは、パイ生地にアーモンドクリームをサンドして、焼き上げる
シンプルなものである。が、焼き上げるには、かなりの完成度が求められる。
パイ生地とアーモンドクリームのバランスに、表面に刻まれた模様の美しさ、
濃いキツネ色の黒光りする焼色。
シンプルゆえに、一つ一つの丁重な作業の積み重ねが、出来上がりの完成度に影響する。
この映画、「シェルブールの雨傘」のストーリーもシンプルだが、キャストや演出、音楽などスタッフの丁重な作業の積み重ねにより、心に残る映画となる。


ガレト・デ・ロワというと、生地の中に忍ばせた、小さな陶器の人形のフェーブ(そら豆)である。昔は、本当のそら豆を入れていたそうである。
取り分けられた、ガレット・デ・ロワにフェーブが入っていた人は、
その日は王様に女性は王妃様になれる慣わしです。
さて、取り分けられたガレット・デ・ロワのフェーブは、
ジュヌヴィエーブに当ります。
ガレット・デ・ロワに飾られていた王冠は、ジュヌヴィエーブの頭に・・・
見とれるカサールは「聖母マリアのように美しい!」と感嘆する。
そう、ジュヌヴィエーブを演じるカトリーヌ・ドヌーブの、初々しさ可憐さは、
本当に美しかった。
いつかシェルブールへ行ったのなら。小さな傘屋を訪れ、
ガレット・デ・ロワの王冠を飾った、ジュヌヴィエーヴに会ってみたい・・・。



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