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2010年12月1日(水) 人生初の「全身麻酔」での手術日だ。
朝8時「日之出歯科真駒内診療所」到着。
1階で受付をして、手術室と入院施設のある3階の受付で入院手術の手続きをする。
患者用着に着替え、8時半に移動ベッドに寝かされ、点滴を受ける。
看護士さんに「この注射痛いですけど、我慢してください!」と言われ、肩に容赦なく注射される。
「チクッ」ではなく「ググ!」の感じで、筋肉に突き刺さる注射針は、確かにスゲー痛い。
もう少し優しくしてくれても~!
手術への不安を感じながら、病室の天上を見ていた・・・・・・・zzzzz
・・・・・・・・・・・・・・・・

麻酔は誰が考え出したのだろね。
その歴史はかなり古く、先史時代にはすでに、アヘンや大麻などを麻酔に利用していたそうだ。
中国の「三国志」には、華陀(かだ)(中々の名医だったらしく、数々のエピソードが残されている)が
「麻沸散」という麻酔薬を用いて、手術を行ったとある。

正確な全身麻酔の記録は、日本の華岡青洲(はなおかせいしゅう)が、トリカブトなどを配合した「通仙散」
を用い、乳癌手術を行ったのが最初である。

薬物を用いない麻酔として、催眠術も用いられたそうである。
「アナタワ イタクナイ!」などと暗示をかけるのだろか?
又、江戸時代には、氷を用いて体を冷やし、痛みを感じにくくする、低体温法があった。
(江戸時代の氷って、天然氷だよね?)他には針麻酔や電気麻酔もあるそうだ。

麻酔の目的は、患者の苦痛を軽減させるのが目的である。
局所麻酔は、体の一部を手術するのに用いられるが。
全身麻酔は手術する体の部分、全てに用いることが出来る。

手術がいつ始まり終わったのか、麻酔のため意識はない。
タイマーのスイッチが、「プツン」と音を立て起動したように覚醒した。
最初に感じたのは「ウーッ!ノドが痛い、風邪を引いたな」だ。
後から聞いたのだが、ノドの痛みは手術中、呼吸のために管を通していたためであった。

まだボーッとしている。「ここは何処だ?」目だけを動かし周りを窺う・・・
ナースステーションだ。全身が沈み込むように重いぞ!寝返りを打ちたい・・・
体が金縛りみたいに動かない。
「ウーッ!」と気張って、体の右側を下にした・・だけど左を下にしたくなった・・と思ったら、
すぐに右を下にしたくなった。
体中に虫酸走る、不快感が全身を駆け巡る。居ても立っても居られない「ウワーッ!」と叫んで、走り出したくなった。
が、気持ちと体が不揃い、最悪!「ウーッ!」と声に出して唸る・・・
目覚めたのに気が付いたのか、看護士さんが「大丈夫ですか?」と呼びかけるから。
「ダ・イ・ジョ・ウ・ブ・デネェェ!」と心で叫んだ。
大きく息を吸い込むと消毒薬の臭いが・・口中に血の味がする。
看護師さんに「唾飲み込まないで下さいね。ティシュで拭き取ってください」と言われ。
枕元に置いてあったティシュに、唾を吐き出すとどす黒い血だ。

気力を振り絞り、おぼつかない足取りで病室へ戻った。
時計を見ると午後6時40分、あさの8時半から10時間も麻酔が効いていたのだ。
後日医師(せんせい)に聞いたら手術時間は5時間ほどかかったそうである。

お粥が用意されていた。そう言えば、手術のために昨日の夜から、何も口にしていなかった。
空腹は感じるが、食欲は無い。「でも、食べなければ!」と気を奮い立たせ、箸を取った。
義歯が入るまでマウスピース状の仮歯が付けられている。
お粥をひと口啜る「味が感じない!」味噌汁の具をよけて汁だけ啜る、幾らか味噌味を感じた。
赤ちゃんが、生まれて初めて歯が生えて食べる気分だ。
お粥に梅ペーストを混ぜて食べると、梅の酸味と共にお粥の味が感じられた。飲み込むとノドが痛い!
手術直後で口中と唇が腫れとキズだらけなのだ、何をしても痛みが伴う。
食事もろくに摂れない、気が滅入る。こんな時は、「どうする?」何も考えずに寝るのが一番だ!
歯ミガキして寝よう。
洗面所で歯磨きをするが、歯茎が腫れていて、歯ブラシが当たると「痛い!」。
そっと歯ミガキするが、やっぱり「痛い」。ウガイを吐き出すと血が混じっている。
又々気が滅入る、もう寝よう「寝るんだ、寝るんだジョー!!」の気分だ。

翌朝、又出されたお粥を食べ、帰宅した。それから1週間ほど、家から1歩も外出しなかった。
人生初の全身麻酔のショックからか、後遺症なのか?「引き篭もり」状態だ。
「この先、何にも出来ないのでは・・・」精神的に奈落の底だ。


だけど、何がつらいの、なんのってお粥である。
口中のキズや腫れで物が噛めないし、熱いものが食べられない。
だから朝昼晩3食、お粥お粥お粥お粥お粥の、お粥三昧(地獄?)だ。
それもぬるいお粥だ!「噛んで食べたーい!熱いのが食べたーい」
イヤ、なにを嘆く!母が食事を一切摂れず、闘病の末に逝った事を想えば、「何のこれしき!」。
毎食お粥だって、食べられるだけありがたいと思え!!

こうなれば、料理人である。
味付けも味噌、塩、醤油と変え、のり佃煮、卵、梅など具材も色々と揃えて、お粥の味道を極める事にした。
焼鮭や豆腐など、少しずつ噛めるものも試みると、少しずつ慣れてくるものだ。
口中や唇のキズ、歯茎の腫れも癒えて、噛んで食事が出来るようになってきた。
なんか、やる気が出てきたぞ!!


さて、今回受けた治療法は、「インプラント」と言われるものである。
顎骨にクギ状の人工歯根を植えておいて、それに義歯を被せるものだ。
それと、左奥は入れ歯になる。インプラントは最近の治療法かと思ったら、なんと古代ローマ時代の人骨から、
上顎骨に埋まった鉄製のインプラントが発見されている。
7世紀のマヤ文明の遺跡からは、20代女性の下顎骨に、貝で出来たインプラントが見つかっている。
歯石がついていたことから、ちゃんと機能し実用に耐えうる物であったようだ。
この時代、全身麻酔かけて手術したのかな?
仮歯を外した、口中のインプラントを見たが、歯茎から銀色のクギが数本、間隔を空け突き出ている。
007シリーズに、大男の「金歯のジョーズ」がいたべ!なんか「スキッ歯のジョーズ」みたいだ。 
 

自分の歯は1歯もなくなり、インプラントの義歯と入れ歯になってしまった。

入れ歯は人間だけかと思ったら、入れ歯のロバがいたのだ!
それはロバの「一文字号」で、北京生まれだ。
日本軍の物資輸送の役に付いていたが、昭和16年に日本の上野動物園に送られてきた。
馬車に子供達を乗せ人気者であった。
だが昭和36年に、ポップコーンをノド詰まらせ死にそうになる、原因は歯が悪かったからだ。
一文字号はロバ年齢27歳、人間だと80歳過ぎにもなる。
柔らかい食事やお粥を与えたが、食べようとしない。
そこで入れ歯を作ろうと、歯科医を探したが見つからない。
そこで「私が・・・」と手をあげてくれたのが、東京医科歯科大学に勤務する石上健次医師である。
歯型をとったり、噛み合せの高さなど、難問難題の末にようやく入れ歯が完成した。
なんたって、ロバは喋らないから、「合非?」が分からない。
しかし、入れ歯を入れた一文字号は、すぐに草を食べ始めた、入れ歯がピタリ合ったのだろう。
その後、一文字号は元気を取り戻す。一緒に飼われていた、羊達が柵を飛び越えるのを真似て、
自分も飛び越えようとしたが、柵に足を引っ掛けて転倒する。
これが原因で腸ねん転で死亡した。
世界で初の入れ歯のロバ一文字号は、上野動物園の資料館に今も眠っている。
天国でも入れ歯で草を食んでいるのだろう!

さてインプラントを、義歯に合わせるために、例のタービンで「ギュンー!」と削るのだけど。
前の治療の時に、医師(せんせい)は「もう、イタイ治療はありませんから!」と言ったのに、
なんでガリガリやるの。「大嘘つきだ!」。
でも医師に「次回の治療はイタイですからね・・・」などと言われたら。
次の診療日まで「痛いのか!」と考えて気が休まらないよな。コレは医師の優しさであろう。
「俺って、なんて理解があるのだろう」そう思うべ! 

診療中に、お爺ちゃんが、タービン治療の辛さに、突然「ウガー!アグアーン!ウーウーウー!」と、
呻き声を唸り出した。
診療室の全員が手を止め、息を止めて「何事!」と注目。
担当の看護士さんが「もうすぐ終わりますから、ガンバッテくださいね・・・」と励ますが。
お爺ちゃん「ウガー!ホヘー!」と、世紀末の呻き声を唸るのであった。
お爺ちゃんには悪いケド、診療室はチョット笑に包まれたんだ。自分の辛さも半減したけどね。
タービンはつらいよね!

入れ歯など「爺クセー!」と思っていたけどね。
子供の頃に、死んだ婆さんが生前に外した入れ歯を、そこらへんに置いておくから。
それを見て人体の一部が剥ぎ取られたような、生々しさに「ドキ!」とさせられたものだ。
その自分がまさか、婆さんのように入れ歯をする事になろうとは!・・・
でも今の義歯は本当に精巧に出来ているね。歯茎のピンク色や歯の白色など「歯」そのものだ。

さて、4ヶ月に及んだ治療も終わった。
入れ歯も最初は口に慣れず、いずい(・・・)感じがあったのだが、微調整をして違和感が少なくなった。
噛み合せや義歯も口に合って、ご飯も噛んで食えるし味わえる!噛んで食えるっていいね。
歯は健康の元だ、司厨師協会会員諸君「歯」は大事にしましょう。
仕事柄、歯の悪い料理人が多いけど、職業病だとあきらめず治療しましょう。

桜の花は咲きました。春の陽射しは優しいけれど。治療費は東京スカイツリーでしたよ!
♪上を向いて歩こうウォウォウォ・・・
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