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唐突ですがみなさんは「辛~いのスキ!?」

ビストロポワルの早貸シェフに青唐辛子を貰った。
「辛くないですから!」と言うので、さっそく炒めて食べたら「大当たり」。

辛いのなんのって、どうにも我慢が出来なくなって、氷を1個口の中で転がしながら、辛さを和らげたが、まだ辛い。
もう1個もう1個で、結局5個も氷で冷却方法を試みたがまだ辛い。
遂には普段は味わう事のない、飴まで嘗めてどうにか辛さが治まった。
余りの辛さに、「辛くない!」と言った早貸シェフを訴えようと思ったほどだ。「辛くない訴訟」だ。



唐辛子の辛味成分は皆さんもご存知の「カプサイシン(capsaicin)」で、唐辛子の属名「カプシカムcapsicum」から命名され、ギリシャ語由来の「カプサcapsa(袋)」からきている。
唐辛子やピーマンの中が空洞で袋状になっているからだ。
因みに英語のcapsule(カプセル)も、このcapsaが語源なのだ。

カプサイシンは植物が作り出す化学物質で、カプサイシンが多く含まれているものほど辛くなる。
このカプサイシンの辛さこそが世界中に広がる元になるんだね。

唐辛子を食べてすぐには辛さを感じない。
この辛さを感じる舌の受容体は表面ではなく中心部分に近いところにあるからで、しばらくして辛さを感じるのはこのためだ。


しかしだ、この辛いのもが、ナゼ世界中にひろがっていったのか?
人が最初に食べたのは野生の唐辛子だろう。
「ヒョイ!」と摘んで口に入れたら「辛~い!」となって、以後「食べないべ!」となる。
それは人に限らず動物も同じで、が、ここにカプサイシンの辛味を感じない驚異の生物がいる。
それが鳥類である。
鳥類はカプサイシンを感じる受容体が違うために、辛味を感じないのだ。
例えばカプサイシンの辛味成分が○だとしたら、人や動物は○を受け入れる受容体を持っているのに対し、
鳥類は△なので受容体がはまらずに辛さを感じないのである。
鳥類は唐辛子の種を潰さずに食べるのだ。
さらに消化器官も短いため、種は消化されずに、そのまま糞と共に排泄されて、あちらこちらに撒き散らしてくれるのだ。


しかし他の動物は食べると種が咀嚼され潰れ、また消化器官も長いために種も消化されてしまうためだ。
唐辛子は種保存のために、鳥類だけに食べてもらうように、カプサイシンを作り出したのである。
原産地は中南米といわれ、唐辛子と鳥類達との「連帯と相克」によりアメリカ大陸に広がっていったのだね。



この植物と動物の「連帯と相克」相利的関係の不思議さを伝える話がある。
(と言うよりは人間の愚かさだね!)
モウリシャス島に自生している「カルバリア・メジャー」という樹木は、現存する最も若い木で樹齢300年である。
それ以来若い木は1本も生えていないのだ。
300年もの間に木が1本も生えないとは、一体どういう事だと思うべ!


モウリシャス島には300年前「ドードー」と呼ばれたアヒルに似た鳥がいて、
カルバリア・メジャーの木の実が唯一の食物だった。
ドードーが採食した種を糞と共に排出して、始めて発芽可能な状態になるのだ。
ところがだ300年前に、人間がドードーをすべて食ってしまい絶滅してしまったのだ。
必然的にドードーによって木の種は蒔かれず、発芽もせず、以来1本の木も生っていないのだ。

動物と植物の関係は只単にその種族だけにとどまらない命の連鎖があるんだね。
「イチバン悪いのは人間だ。イチバンヒドイ奴は人間だ!」と動植物の悲痛な叫びが響いてきます。



話を戻しましょうか!
唐辛子が世界中に広がったのは、この人「クリストファー・コロンブス」の登場である。
15世紀に欧州各国は、コショウやナツメグなどのスパイスを求めインド、東南アジアへ航海を始めた。
それまでは東回りのアフリカの喜望峰を通って東南アジアへ航海していた。
コロンブスは逆の西回り大西洋を航海して東南アジアを目指したのだ。


しかし到着したのは「新大陸」アメリカで、そこで発見されたのが唐辛子である。
コロンブスはそれをコショウだと間違えてスペインに持ち帰る。
唐辛子がレッドペッパー(RED PEPPER)と呼ばれるのはそのためである。
1493年、唐辛子が世界史に初めて登場します。
それから唐辛子はコロンブスの西回りとは逆の東回りでヨーロッパからアジアへと世界中に広まったのだ。
コロンブスの発見から100年余りで日本に伝来している。

しかし当時の唐辛子の辛さは「美味しくない辛さ」だったのである。
人の手により多くの品種改良を経て、現在の「美味しい辛さ」の唐辛子に改良された。
その品種改良は現在も行われている。


だけど、辛いのを食べて「もう絶対食べないぞ!」とはならないよね。
まあその時は、チョットは思うだろうけど、しばらく経つと憎き辛さを忘れたかのように、懲りずに食べているんだよね。
バンジージャンプとかジェットコースターとか怖いのにチャレンジするような、スリルを求める「危険な要素」も辛さにはあるね。

辛いは味ではなく「熱い、痛い」などの、痛み刺激だそうである。
辛いものを食べて、「口から火が出ている!」というよね。スゲー辛いのは「激痛」に感じる。 
辛いものを食べると、その痛みを和らげようと脳内から「β―エンドルフィン」という物質が分泌されるそうだ。
それが快感となり、辛いという刺激が段々と好ましい刺激に変わり、より辛いものを求め「クセ」になると考えられている。

唐辛子を食べるとカプサイシンの作用で「体温上昇、発汗、脂肪燃焼」などの作用があり、
アドレナリンが上昇し代謝促進などの効果もあるそうだ。
そういえば、辛いものの食後は「サッパリ感」があるね。



ところで、辛さの単位をご存知か?「スコビル」が辛さの単位である。
世界一辛いといわれた唐辛子「ハバネロは57万7千スコビル」である。
これは57万7千倍の砂糖水でうすめたら、辛さを感じなくなったという計測単位である。


‘11年には「インフィニティ・チリの117万6千182スコビル」。
次いで「ナーガ・ヴァイパーの138万2千118スコビル」が新記録である。
が、さらにスゲー辛さがやってきた。

オーストラリア モリセットで「アレックスとマーセルのデ・ウイット兄弟」が作り出した
「トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー」だ。
ややこしい名前の通り、怖ろしい辛さで、なんと「146万スコビル」だ。
見た目は小型の赤ピーマンである。
園芸学者のマーク・ピーコックの協力を得て、特別な栽培方法で、その辛さを作り出している。

苗をつよい日差しから避けるために周りをユーカリの木で囲み、土にシートを被せ温度を保つ。
そうして企業秘密の「ワームジュース」を1週間に1度あたえる。
ワームジュースとはミミズが野菜クズなどから作り出す肥料で、紅茶のような色合の液体である。

ピーコックは「唐辛子は出来るだけ辛くなりたいと思っている。
苗を健康にして、多くの栄養分を吸収させるとカプサイシンが増える」と栽培法を力説する。

その唐辛子を使ってトマトピュレ状のソースを作っているのだが、作業中はガスマスクに防御服に手袋の完全装備である。
直接肌に触れると「強い痛み」を感じるとか。そんなの食ったどうなるんだよ!!
その唐辛子とソースを使い、煮込み料理を作っているのだが、見ているだけで「辛そ~っ!」。
辛い唐辛子を作り出すには、選ばれたな土地、特別な栽培方法など、手間のかかる作業である。
デ・ウイット弟は「唐辛子の苗に話しかけなければならない、必要なのは苗への情熱だ!」と熱弁を奮う。
デ・ウイット兄弟の唐辛子作りを見ていて、始めは滑稽にも思えたが、その辛さにかける一途な思いには心打たれるものがあった。
そんなデ・ウイット兄弟の熱い思いを持ってするなら、「情熱のスコビル」を作り出すであろう。ガンバレヨ!!



辛いものを食べるとストレス発散にも効果的とか。でも食べ過ぎると味覚障害になるかも?
友人は辛いものに「ハマリ」食べ過ぎて腸内に腫れ物が発症し、入院手術の羽目になった。
「過ぎたるは及ばざるが如し」唐辛子のような香辛料は使い方を誤ると、ヒドイ結果になるので要注意だ。
辛(から)いは、辛(つら)いとも読むからねぇ・・・


「とうがらし はねをつけたら あかとんぼ」 松尾芭蕉
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