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映画「暴力脱獄」

「暴力脱獄」・・・?なんともヒドイ邦題ではありませんか。
どこをどうしたら、こんな題名を付けられるのか・・・
原題は「COOL HAND LUKE」(クール・ハンド・ルーク)「いかした(・・・・)ルーク!」みたいな意味だろうか。
’67年に公開され主演はポール・ニューマン、監督はスチュアート・ローゼンバーグ。
原作はドン・ピアースの小説で刑務所に服役していた体験を元に著した。
映画化には脚本にも参加している。日本でも安部譲二さんの小説「塀の中懲りない面々」があった、
こちらは渡瀬恒彦さん主演で映画化されている。

ルーク(ポール・ニューマン)は、酔って数本のパーキングメーターを切断し、公共物損壊の罪で逮捕され
刑務所に収監される。
刑務所では所長と部下の看守達が、過酷な労働と体罰で囚人達を服従させようとする。
しかし、ルークはそんな所長や看守達に屈せず反抗する。その姿は次第に囚人仲間達の“ヒーロー”となっていく。

しかし、ルークの母が亡くなり、所長は「脱走するのでは・・・」と考えルークに懲罰小屋を命じる。
それは逆にルークの反骨心を煽ってしまい、懲罰小屋を出されたルークは、看守のスキを狙い脱走する。
しかし、すぐに捕まり刑務所に連れ戻されてしまい、罰として両足を鎖で繋がれてしまう。

再び脱走するが、又すぐに捕まってしまう。
看守達に前回以上の執拗な暴行受けたルークは、心身ともに打ちのめされる。
反抗心は消え去り、看守達に「はいボス!」と服従し諂(へつら)うルークに囚人仲間は愛想を尽かし嫌悪する。
そうして看守達を油断させたルークは、スキを狙い作業トラックを奪い、囚人仲間のドラッグと3度目の脱走をする。
夜の教会に逃げ込んだルークは神に語りかけるのだが、看守達に発見され銃弾を受ける・・・。


刑務所の所長が、新入りの囚人達に訓示をたれるのだが、優しい言い方の裏に残忍さを感じさせる。
そして看守が新入りに所内の規則を説明するのだが、このルークという男は、規則やルールに縛られるのが窮屈でしょうがない。
又そんな自分をも持て余しているのだ。
看守達は囚人達に自分達を「ボス」と呼ばせ、服を脱ぐ、汗を拭くのも水を飲むにも「ボス、何々します」と言わせてから
許可を与えるのだ。
従わない囚人にはすぐに体罰が加えられる。

囚人達の強制労働は厳しいもので、夜明けと共にトラックの荷台に載せられ刑務所を出発する。
常にライフル銃を構えた数人の看守に監視され、看守長はミラー型のサングラスを掛け一言も声を発しないのが不気味だ。
草刈や側溝堀などの作業が、日が沈むまで延々と続くのだ。
夏の炎天下での作業に、さすがのルークも初日はフラフラ、1人の囚人が耐え切れずにブッ倒れる。
日本の草刈は屈んで左手で草を束ねて、右手に持った鎌で根元を刈るべ。
この映画では、長い柄の先に板状の鎌が付いたのを持って、体の正面でそれを左右に大きく振り、
地面を掃くように草を刈るのだ。
囚人達が縦一列に並んで振り、刈るというよりは、草を吹っ飛ばす感じだ。

近くにいて当ったら「危ない!」べ。でも屈まないから腰は痛めないようだ。
草刈にもお国柄があるんだな。


強制労働中の昼飯は、ポークビーンズ(だと思う)とフォカッチャみたいなパンが一切れ。
重労働後の腹ペコ状態だから、みんな飯に食らい付く。食べなきゃ体がもたないよな。
そうそうポークビーンズにキャラメルみたい物をスプーンでかけていたけどなんだろう?
グレービーソ-スかな。

作業中に道路脇の家の前で、セクシーな若い女性が洗車を始める。
泡だらけになり、上目使いで囚人達を挑発する。水に濡れた服はボディラインがくっきり・・・
胸元やムッチリ太ももを見せ付け、ヒップを突き出す。
囚人たちは作業に身が入らず「ウオッー!」と叫び、ブロンド美女に目は釘付け。
牢名主のドラッグ(ジョ-ジ・ケネディー)は勝手に、彼女を「ルシール!」と名付けて妄想を膨らませる。
面白いシーンだが、囚人達にはチョット酷だ!
就寝前にドラッグが「ルシール、いい女だぜ!・・・」と、昼間の興奮を蒸し返し、聞いていた囚人達は、みんな悶々となる。
と、ルークが「もうやめろ。くだらん夢は皆の迷惑だ」の一言にドラッグはカチンと来る。
翌日ボクシングに託けて、ドラッグはルークをメッタ打ちにする。
体の大きいドラッグのパンチを食らって倒れる。が、倒れても倒れても立ち上がるルーク。
遠巻きに見ていた囚人達も見ていられず、1人又1人とその場を立ち去る。
さすがにドラッグも呆れ果て、バツ悪そうに宿舎へ帰るのだった。


作業を終えて帰ってくると、夕食後はテーブルに集まりポーカーに興ずる。
ルークはカードの手がスカなのに掛け金を吊り上げてゆく。
相手は根負けして下りてしまい、掛け金をゴッソリ稼ぐのだ。
ルークは「なにもないのも“いい手”(“Cool hand”)なんだ」と。
それを見ていたドラッグが「たいした奴だ!」と感心して「クール・ハンド・ルーク」と呼ぶ。


作業の休日に、ルークの母親が尋ねて来る。
ルークの弟の運転する小型トラックの荷台に設えたベッドに横たわった母の姿に、病気が重く死が近い事を悟る。
なのにタバコをやめようとはせず噎せ返る母。
笑顔で別れる親子だが、走り去る車の荷台に横たわった母は泣き崩れる。
不思議と心に残る印象的なシーンだ。
母の死をきっかけにルークは脱走を計画し実行する。
看守達は犬を使い追うのだが、ルークは川を泳ぎロープを伝って渡り、柵をジグザグに越えて犬に臭いを嗅ぎとられないように必死だ。


2回目の脱走ではコショウを撒き散らして、追って来た犬がクシャミするのが面白い。
脱走すると足首を鎖で繋がれる、2回目には鎖が2本に増やされるのだ。3回目はない、あるのは死だ!


音楽はラロ・シフリンで、日本で最も知られている映画音楽は、ブルース・リー主演の「燃えよドラゴン」だろう。
♪ジャーンジャジャン アチョーでおなじみだ。
暴力脱獄では「ダウン・ヒア・オン・ザ・グラウンド」が秀逸だ。
ギターで奏でられるメロディーは、悲しげであり儚い希望を感じさせる曲である。
CTIレーベルから発売されている、ギターリスト故ウエス・モンゴメリーの「ダウン・ヒア・オン・ザ・グラウンド」の素晴らしい演奏も、是非お聞きいただきたい。

さて今回のご馳走はポークビーンズではなくて、ゆで卵である。「ゆで卵がご馳走か?」。
だって子供の頃、ゆで卵は運動会か遠足の日にしか食べられなかった1番のご馳走だった。
ゆで卵って不思議な魅力があるね。
スコッチエッグ(懐かしいな)だって、揚げても単なる黒っぽい固まりだけど。
半分に切って白身と黄味のゆで卵が「コンニチワ!」って言うように、顔出したら一変に表情が明るくなって、
美味しそうになるべ。
これがゆで卵の魅力だな。


さて映画ではルークが「ゆで卵50ケを1時間で食べてみせる!」と言ったから、さあ大変。
「食えるわけね」「イヤ食える」で刑務所内は、看守まで巻き込んで「賭けるべ!」となる。
ドラッグが胴元兼ルークのトレーナーになり勝負がはじまる。
まるでリングに上がる試合前のボクサーのようなルークの格好に笑ってしまう。

最初は調子良く食べるのだが32ケからペースダウンしてしまう。妊婦の様に膨れ上がったハラは苦しそうだ。
それを見て「食べられない」方に、みんな全財産注ぎ込み掛け金を追加するのだ。
だがそれはルークとドラッグの策略で、掛け金が増えたのを見計らって又食べ始める。
ドラッグは卵の殻を剥いてやり、ルークの口へ次々と放り込む。
あと、9ケ8ケ・・・最後の1ケを飲み込むように食べたのは、制限時間ギリギリの1時間ジャスト。
みごとゆで卵50ケを1時間で食べ、ルークとドラッグは大儲けする。

食べ終えてグロッキーになりテーブルの上に横たわったルークの姿は、イエスが磔になった姿と同じで、
宗教的暗示のある映画だが理屈ぽくなるのでやめましょう。

このシーンは見ているだけで、ノドが詰まりそうになる。
1時間でゆで卵50ケか・・・誰かチャレンジしてみる?
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