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みなさん 明けましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。

お正月から唐突ですが。家の冷蔵庫のモーターが、“ウーン”と小さく唸るような音を出し始めた。
別に気にも止めずにいたのだが、しばらくすると音が“ブーン”になり、次第に“ヴンヴンヴンヴン”
と耳に響くような音になった。
そうしているうちに、“グワグワグワ”とカエルの声みたいな、実に耳障りな音を出し始めた。


最初はパンチやキックを“ドン”と一発かます(・・・)と(殴ってごめんね)静まったのだが。
冷蔵庫のモーターが「スイッチオン」になる度に“グワグワグワ”の、カエルの合唱だ。
テレビを見たり、飯を食っている時なら、まだ気も紛れるが。

就寝中の真夜中に台所から“グワグエ”とカエルの合唱が始まるとさすがに「うるさい!」。
眠いのをこらえて、フトンから抜け出し冷蔵庫に一発かましてやるのも億劫(おっくう)だ。
起き出す気力もなく、フトンの中で哀しく泣き寝入りである。

使い始めてから20年近くにもなる働きもの。そういえば、しばらく冷蔵庫の裏や下側を掃除していなかったな。
と思い立ち、冷蔵庫を壁際から引きずり出して「イザ!」と掃除を始めた・・・。


調理場でも冷蔵庫の故障は困るよね。停電なら復電するけど、故障は直せない。
それもなんでか、年末年始とか繁忙期に故障する事が多い。
冷蔵庫の開け閉めなど、使用頻度が増えて負担になるのかな?ホテルみたいに設備が整っているなら、
冷蔵庫1台故障しても、他の部署の冷蔵庫あるからいいけどね。
小さな店で冷蔵庫1台しかないのは切実だ。
急ぎ修理業者に電話しても、すぐ来てくれるならいいけど「明日!」なんて言われたら「さぁー大変!」だ。
冬なら発泡スチロールやダンボールに詰めて屋外に置けるけど、夏の暑い日なんか「どうするべ!?」
食材が全部「パーだべ!」。ドライアイスや氷を冷蔵庫に入れて、あまりドアを開閉しないようにと・・・
仕事にならんよ!!


冷蔵庫の創始をたどると、氷を作る事、製氷を出発点としている。
1799年にニューヨークからノースカロライナへ、天然氷を商品として出荷したのだが。
氷の保存方法が悪かったために、僅かしか届けられなかった。
これによって氷の貯蔵、保存、輸送方法が改善され、氷産業が発展して行く事になる。

1803年にアメリカの豪農トマス・ムーアが、氷を利用して冷蔵する冷蔵庫を始めて作った。
冷蔵庫というよりは、アイスボックスのような物だろうか。
僕が料理人を志した46年前には、電気冷蔵庫と氷の大きな塊を、何本か入れて冷やす冷蔵庫も使っていた。

1805にアメリカのエバンスが液体を利用した吸引型冷却法を提唱し設計方法を発表する。

1820年にはイギリスのファラデーが液体アンモニアによる冷却を発見する。

1840年代アメリカでは、早くも冷蔵設備を備えた車両が、牛乳の輸送に使われ始めている。

1850年頃に、アメリカの医師ゴーリエが、マラリア患者のために使う氷を作ろうと、
エバンス、ファラデーの考えを参考に、空気圧縮機を使用した冷凍機を開発した。
この方式は、今も使われている冷蔵庫の原理と同じである。
家の冷凍室で氷を作る製氷トレーあるべ!あれもゴーリエが考え出したものだ。ゴーリエ医師ってスゲーね!


中央市場の大きな建物の冷凍室に始めて入った時の事だ。
入ったはいいが、出方が分からないのだ。「エッ!?どうしよう出られない」・・・
俺はこのまま「凍え死ぬな!」と覚悟を決めた。
その時、誰かがドドッと来て、ドアに付いている金棒先の丸いプラスチックの取っ手を、手前に“グッ”と
押したらドアが開いた。
なーんだ、そうだったのかと、嬉しくなって取っ手をグッと押した。
目の前が明るくなり、やっと出られたー。
真冬の寒い日だったが冷凍室から出ると、外気の方が暖かく感じられた。


南北戦争(1861~65)が起こると、南部側に北側から天然氷の輸送が遮断された。
そのため、南部では商業的な冷蔵庫の需要が高まる。

1890年代には下水による天然氷の汚染が問題となり、冷凍機による製氷の需要が益々高まってゆく。

1910年にアメリカのGE社が、二酸化イオウを冷媒に使用した、家庭用冷蔵庫が2台製造された。
これが世界初の冷蔵庫(らしきもの)である。
そうしてガスを用いた冷凍庫が開発された。
だがそのガスに毒性があり、冷蔵庫を家庭用に設置するには「危険!」と、普及には大きな問題となっていた。

しかし1926年にトーマス・ミドリーが毒性のないフロンガスを発見した。
ようやく安全性が確立され、冷蔵庫は急速に普及していく。
そのフロンガスも成層圏に達してオゾン層を破壊し、地球環境に悪影響があると、1996年には先進国での生産、
使用が禁止された。


昭和30年代、日本は高度成長期に入り冷蔵庫と白黒テレビ、洗濯機は三種の神器といわれ、
一般家庭にも爆発的に普及してゆく。それからの、冷蔵庫機能の進化にはめざましいものがある。
今の冷蔵庫は、ドアの内側のふちにマグネットパッキンが付いて開閉するが。
昔はドアの取っ手引いてフックを外し、開閉するタイプだったから、
冷蔵庫の分厚いドアを開閉する度に“ガチャガチャ”とやっていた。


今の冷蔵庫は冷却風で庫内を冷やす方式だから、入れた食品が乾いてしまうので、食品をラップで被って
入れなければならない。
でも昔は冷気で冷やすから、ラップは必要なかった。というかラップが無かったね。
でも霜が付くので、時々霜除りしなければならなかった。
氷で冷やすタイプの冷蔵庫は上下2段だったから、上段の氷が溶けて水が滴るので、下段に入れた物には
フタをしていた。
家庭用では冷凍冷蔵庫が一般的であるが。
イギリスは週に1回しか、買い物しない家庭が多く、逆にイタリアでは、毎日買い物をする家庭が多い。
そのために、イギリスでは冷凍室が冷蔵室より大きく作られ、イタリアは冷蔵室の方が大きい仕様になって
いるそうだ。冷蔵庫の仕様にもお国柄があるんですね。


「さぁー!」冷蔵庫を壁際から引きずり出して、前面下部のカバーを外して「ビックリ!」。
黒っぽい灰色のホコリが、スポンジ状にビッシリと詰まっているのだ。
テレビでこの掃除には、女性の使い古しのストッキングを、金のハンガーに巻き付けてやると、ホコリが取れると
言っていたが、生憎と使い古しのストッキングが「無い!」。
電気掃除機で吸い込んでみたが効果がない。
致し方ないので、隙間に割り箸を突っ込み掻き出した。が、掻き出しても、掻き出しても積年の恨みなのか、
湧くようにホコリが出てくる。
30分程でようやく見える部分だけはホコリを取ることが出来た。

次は裏側だ。ドライバーでネジを回し、カバーを取り外した瞬間「ゲェ~!」と叫んで、妻と顔を見合わせた。
なな、なんと!真っ黒いホコリの塊が、毒蜘蛛の“タランチュラ”のように、蔓延(はびこ)っているのだ。
事の重大さを認識するまでの、呆然とするしばらくの時間をお許しいただきたい。
解決しようのない問題を突き付けらたようで、どこをどうして、何から手を付けたらいいのか・・・
しかし目の前の惨劇は、受け入れ難いが確かな現実だ!

まず、電気掃除機で吸い込んでみたが、やはり効果なし。
小さなホウキで掃いたが効果なし。
大きなホコリを割り箸で掻き出したが、こびり付いたホコリは容易に取れない。
濡れ雑巾で擦り取るしかないと決断。ボロ雑巾を握り絞め、モーターの上の黒いホコリを擦り取り。
そのモーターを冷却する小さな扇風機のプラスチックの羽根も、拭きずらいが丁寧にホコリを取り除いた。
1時間程必死の努力の甲斐で、なんとか汚れは落ちた。
カバーを閉じ、そっと壁際に収めた。コンセントを差し込むと、冷蔵庫は“ブゥゥー”と、静かにモーター音をたて動き出した。
「ヤッタァ!」カエルの合唱は終演だ。やっぱり家電にはメンテナンスが必要なんだな。


これからの冷蔵庫はどのように進化するのかな。
出し入れされた食品の、量や日付けが入力され、冷蔵庫の扉に表示される。これは在庫が分かっていいね!
肉、魚の臭いが移らない。これもいいね!いっその事、食品を入れたら、料理が出来上がる冷蔵庫が・・・
それじゃ料理人は失職だよ!

若い頃、調理場の冷蔵庫を開けると、“ナイフ”が入っていた。
「あれ?」と思い、ナイフを戻そうと引き出しを開けると、“ハム”が入っている。
どうも、早番のヤツが帰りを急ぎ、ハムとナイフを入れ違ったらしい。
普段は、当たり前の様に使っている冷蔵庫ですが。我々料理人の仕事を大いにサポートしてくれる冷蔵庫。
大切に使いましょう。

不況で厳しい日々が続きますが、今年もがんばろうや!
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